MQL4MQL5 スクリプト 資金管理・リスク

資金の◯%のリスクでロット数を計算したい

結論:「許容損失額 ÷(損切り幅 × 1ロットあたりの1ポイントの価値)」で計算し、最小ロット・刻み幅に合わせます。

考え方

「損切りにかかったときの損失を、口座残高の 2% までにする」といった資金管理では、損切りの幅からロット数を逆算します。1ロットで1ポイント動いたときの損益は、SYMBOL_TRADE_TICK_VALUE(1ティックの価値)÷ SYMBOL_TRADE_TICK_SIZE(1ティックの大きさ)× _Point で求められ、通貨ペアや口座通貨が違っても同じ式で計算できます。

  1. 許容損失額 = 残高 × リスク% を求める
  2. 1ロットで損切り幅だけ動いたときの損失額を求める
  3. ロット = 許容損失額 ÷ 1ロットあたりの損失額
  4. 刻み幅で切り捨て、最小ロット・最大ロットの範囲に収める

そのまま使えるコード

MetaEditor の「新規作成」で「スクリプト」を選び、できたファイルの中身をすべてこのコードに置き換えてコンパイル(F7)します。ファイルは Scripts フォルダに保存され、ナビゲーターからチャートにドラッグして使います。

MQL4・MQL5 共通

#property strict
#property script_show_inputs
// 残高の◯%のリスクで、損切り幅からロット数を計算するスクリプト
input double InpRiskPct = 2.0;   // リスク(残高に対する%)
input double InpSLPips  = 30;    // 損切り幅(pips)

double PipSize()
{
   return (_Digits == 3 || _Digits == 5) ? _Point * 10 : _Point;
}

// 損切り幅(価格)とリスク額から、ロット数を計算する
double LotsByRisk(double riskMoney, double slDistance)
{
   double tickValue = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_TRADE_TICK_VALUE);
   double tickSize  = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_TRADE_TICK_SIZE);
   if(tickValue <= 0 || tickSize <= 0 || slDistance <= 0) return 0;

   double lossPerLot = slDistance / tickSize * tickValue;   // 1ロットで損切りしたときの損失
   double lots = riskMoney / lossPerLot;

   double step = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_VOLUME_STEP);
   double minL = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_VOLUME_MIN);
   double maxL = SymbolInfoDouble(_Symbol, SYMBOL_VOLUME_MAX);
   lots = MathFloor(lots / step) * step;                      // 刻み幅で切り捨て
   if(lots < minL) return 0;                                  // 最小ロットでもリスク超過
   return MathMin(lots, maxL);
}

void OnStart()
{
   double balance = AccountInfoDouble(ACCOUNT_BALANCE);
   double risk    = balance * InpRiskPct / 100.0;
   double lots    = LotsByRisk(risk, InpSLPips * PipSize());
   if(lots == 0)
      Print("リスクが小さすぎて、最小ロットでも許容損失を超えます");
   else
      Print("残高 ", DoubleToString(balance, 0), " × ", InpRiskPct, "% = 許容損失 ", DoubleToString(risk, 0),
            " → ロット ", DoubleToString(lots, 2));
}

MT4 版・MT5 版とも MetaEditor でコンパイル(エラー・警告なし)を確認済みです。実際の口座で使う前に、デモ口座やストラテジーテスターで動作を確かめてください。

カスタマイズのポイント

  • EA に組み込むときは LotsByRisk() 関数をコピーし、注文の直前に損切り幅を渡して呼びます。
  • 残高ではなく有効証拠金を基準にしたいときは ACCOUNT_BALANCE を ACCOUNT_EQUITY にします。

注意点

  • 最小ロットでもリスクを超える場合は 0 を返しています。そのまま最小ロットで注文すると、決めたリスクを超えます。
  • スプレッドやスリッページの分、実際の損失は少し大きくなることがあります。

このコードで使っている関数

うまく動かないときに出やすいエラー

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