【資金管理】FXのマネーマネジメント、損切りルールやポジションの上乗せ方法
マネーマネジメントについて
損切りルールを決めよう
FXトレーダーの中で、常に勝っているという人はまずいません。どんなに取引が上手い人でも、必ず勝ち負けを繰り返して資産を増やしているのです。
ということは、FX取引をするときに一度にすべての資金を投入してしまった場合、その1回が失敗してしまったら、資金が底をついてしまってもう取引を行うことができなくなります。
基本的に、FXは上がるか下がるかなので、単純な勝率は5割です。実際には相場はそれほど単純ではないのですが、とにかく数回程度負けてしまっても、少し継続すれば勝てるチャンスが出てくる勝率です。
そこで、一度にすべての資金を投入せずに、何度でも取引にチャレンジできるよう、資金を分割して投入したり、損切ラインを決めておく必要が出てきます。そのような資金管理のことを、マネーマネジメントと呼びます。
例えば、取引を長く続けていくために、資金を10分割して1回で投入する資金を抑えたり、1度の損失を5万円までと決めておくのもマネーマネジメントです。
仮に資金が50万円あったとして、1度の損失を1カ月で2万円までと決めたすると、最低でも1年間以上は相場に居続けることができる計算になります。
取引チャンスが増えればそれだけ勝てるチャンスも増えるわけですから、まずは「1ヶ月間に許容する損失額は、全投資金額の1割まで」といった感じにして、できるだけ長く相場に居続けられるよう努力しましょう。
よく使われているのは、口座資金の5%あるいは10%を損失の許容範囲とするルールです。例えば、口座資金が50万円の場合、下記のようになります。
5%ルール
50万円×5%=25,000円 ⇒ ロスカットする損失額
取引量 | 損失の許容範囲 |
---|---|
1万通貨 | 25,000円÷10,000=2.5円 (2.5円分の逆行まで耐えられる) |
2万通貨 | 25,000円÷20,000=1.25円 (1.25円分の逆行まで耐えられる) |
3万通貨 | 25,000円÷30,000=83銭 (83銭分の逆行まで耐えられる) |
10%ルール
50万円×10%=50,000円 ⇒ ロスカットする損失額
取引量 | 損失の許容範囲 |
---|---|
1万通貨 | 50,000円÷10,000=5円 (5円分の逆行まで耐えられる) |
2万通貨 | 50,000円÷20,000=2.5円 (2.5円分の逆行まで耐えられる) |
3万通貨 | 50,000円÷30,000=1円60銭 (1円60銭分の逆行まで耐えられる) |
ポジションの上乗せ方法
3つのポジション上乗せ方法
ところで、ポジションの建て方にも色々あり、同じポジション数を持つにしてもその過程が違うと利益も異なります。
ここではポジションを上乗せするピラミッティング、決済しながら慎重に行くリフレクティング、より大きく利益を狙う利乗せ売買の3つを紹介します。
ピラミッティング…ポジションを上乗せする
リフレクティング…決済しながら慎重に行く
利乗せ売買…より大きく利益を狙う
「ピラミッティング」による上乗せ
最も基本的なポジショニング方法
保有したポジションに利益が出てきたら、さらに買い増して利益を上乗せしていくという方法があります。なぜなら、仮に勝率5割だったとしても、五分五分ではいつまでたっても資産が増えないからです。
そこで、保有ポジションに利益が出て、かつトレンドが継続しそうな場合、最初のポジションの半分の通貨量を上乗せして買い増し、さらに上昇した場合はそのまた半分を上乗せして買い増します。
例えば、①1ドル100円で3万ドルを買ってそのまま上昇した場合、②101円で2万通貨、③102円で1万通貨と買い増していきます。
このように、徐々に買う量を少なくしつつ買い増していく方法を、「ピラミッティング」と言います。
そして、最後に105円で上昇が止まった時に売却すれば、
①100円→105円 3万通貨×5円=+15万円
②101円→105円 2万通貨×4円=+8万円
③102円→105円 1万通貨×3円=+3万円
となって、①+②+③で合計26万円の利益が得られます。
ピラミッティングを行わなかった時の利益は+15万円の利益なので、ピラミッティングを行うことでさらに+11万円も利益が上乗せされるのです。
ただし、相場が反落した時のために、必ず損失限定の逆指値(ストップロス)を設定してておきましょう。
慎重派向けの「リフレクティング」
リスクを抑えて利益を伸ばす
利益を上乗せできるといっても、もう少し慎重にトレードしたい場合はリフレクティングがおすすめです。
これは、利益が出たらポジションを手じまって、利益をしっかり確保したあとに新規で買い上がるという手法なので、手元の資金を確実に増やしながら安心してトレードに望めるポジショニングになります。
まず、①1ドル100円で3万ドルを買い、101円に上昇したら利益確定します。
②利食いしたあと、101円で2万通貨買って102円になったら利益確定、そのまま102円で1万通貨買って105円になったら利益確定します。
①100円→101円 3万通貨×1円=+3万円
②101円→102円 2万通貨×1円=+2万円
③102円→105円 1万通貨×3円=+3万円
こうすることで、①+②+③=+8万円と利益はピラミッティングより少ないものの、いったんポジションを決済し利益を確定していることで、最低限の利益は確保できるというポジショニングになります。
利益がやや少ないと感じた場合は、ポジション数や値幅を調整してあらかじめシミュレーションし、自分なりの数値に置き換えて使うとよいでしょう。
「利乗せ売買」で利益を増やす
大きな利益を狙うポジショニング方法
何らかの大きな材料が出て、しばらくは強いトレンドが続きそうだという場合は、利乗せ売買でより積極的にポジションを取っていくことも可能です。
この利乗せ売買の場合、利益を確定した結果つぎのポジション保有数を増やしていくことになるので、初期の保有ポジション数は多くなり、資金量も必要になります。
①1ドル100円で20万通貨を買って101円で利益確定すると、+20万円の利益が得られます。
20万円あれば、ドル円なら4万通貨買える分になる(ドル円の必要証拠金は1万通貨=4万円前後)ので、②101円で24万通貨買って102円で利益確定すると+24万円の利益が得られます。
③さらに4万通貨増やせるので、102円で28万通貨買って105円で利益確定すると+84万円の利益が得られます。
①100円→101円 20万通貨×1円=+20万円
②101円→102円 24万通貨×1円=+24万円
③102円→105円 28万通貨×3円=+84万円
20万通貨保有するのに証拠金が80~100万円ほど必要だという前提条件はあるものの、①+②+③で合計128万円もの利益が得られます。
もちろん、逆に動いてしまった時は含み損となって、場合によってはそれまでの利益が大きく減ってしまう可能性もあるので、強いトレンドが続くという前提条件が崩れた場合は早めの対処が必要になります。