トルコリラショックと今後の見通し
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大きく下窓を開けてスタート
トルコリラショック再び
昨年11月から上昇トレンドの続いていたトルコリラ円ですが、週末の間に突如トルコのエルドアン大統領が中央銀行のアーバル総裁を解任したことで-15%の大幅安となってしまいました。
トルコリラ円は13.30円付近と大幅に下窓を開けてスタートしたのち、一時14円台へ戻しました。ただ、その後はじり安で、現在は13.80円台での推移となっています。
トルコリラ円チャート(5日)
中銀総裁交代で懸念が生じる
直近のトルコリラ円上昇は、トルコの金融政策安定化を受けたものでした。以前の財務相はエルドアン大統領の娘婿のアルバイラク氏だったのですが、健康上の理由で突如辞任。そのタイミングで中央銀行総裁も更迭され、アーバル新総裁が任命されました。
大統領は「両氏が講じるあらゆる措置を支持する」と発言、中央銀行側は「必要ならば苦い薬を飲まなければならない」と述べ、大幅な利上げを受け入れる姿勢を示していました。
敬虔なイスラム教徒でもあるエルドアン大統領は、「金利は邪悪」「悪魔」と主張し利上げに反対していたのですが、新型コロナショックを受け、利上げを容認する姿勢を見せ始めます。
この出来事が去年11月、エルドアン大統領は中央銀行に干渉しない姿勢を示し、実際に政策金利も8.25%から17%へ段階的に利上げが行われていたところでした。
ところが今回、アーバル氏は就任からわずか3か月足らずで解任、後任のシャハプ・カブジオール総裁は、「借り入れコストの増加を招く 金融引き締め政策をやめるべきだ」 と主張しており、利下げへの警戒感が出てきてしまっているのが現状です。
トルコリラ政策金利推移
トルコリラの見通し
トルコリラの現状
- 中銀総裁への期待で上昇していた
- その中銀総裁が突然解任された
- トルコリラは一時-15%安となった
- 対ドルで見ると素直な動きが分かる
- 今後は利下げとなる可能性
- 他マーケットへの影響は限定的か
トルコリラ円の分析
トルコリラ円のレートは、たった1日で今月上昇した分が帳消しになってしまいました。ただ、今のところ103円台では買戻しが入っていて、下げ渋る場面も出ています。
最初の下値目途は13.50円、そこで下げ止まらず13.00円を割れてしまうと、直近安値の12円台を目指すことになるでしょう。
逆に反発が続くとしたら、短期移動平均線と長期移動平均線の交差している14.30円から75日移動平均線の14.50円の水準を抜けることが必要になります。
つまり、14.30~14.50円の抵抗を上抜けることができれば、トルコリラ円は上昇トレンドへ回帰すると予想しています。
トルコリラ円(日足)チャート
ドルトルコリラでの考察
次に、トルコリラを対ドルで見てみましょう。トルコリラ円は円安や円高の影響を受けてしまうので、対円よりも対ドルの方がトルコリラの動きを素直に表します。ドルとトルコリラのチャートなので、上昇すればトルコリラ安、下落するとトルコリラ高ということになります。
チャートをTHVにしてみると、トリックスが両方とも緑色に変わっていて上昇トレンドを示唆、ということは方向がトルコリラ安です。半値戻し付近で下げ止まれるのか、確認したいところ。
逆に、上昇できなければダブルトップとなるため、ドル高は収まってトルコリラ安は一服すると予想されます。
ドルトルコリラ(日足)チャート
FX動画も考察しなおし
今月投稿していたトルコリラの解説動画もその前提が崩れてしまったため、また戦略を練り直す必要がありそうです。
【FX】トルコリラ謎の上昇について今後の見通しと考察
なお、今回の記事は、昨日外為オンラインの兵ブロガーの方へ投稿した内容を、より詳しくしたものになります。
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