【ボリンジャーバンド】統計学の理論をもとに順張り・逆張り両方に使える
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドは、1980年頃にジョン・A・ボリンジャーが考案したトレンド系のテクニカル指標です。
移動平均線に統計学の理論を加えたもので、ある期間の値動きの平均値から現在の為替レートがどれぐらい乖離しているか、散らばっているかを中心から上下それぞれに1本から3本程度の線によるバンドが示しています。
このバンドは、中心線を挟んだ上下2本の線が中心線から同じ距離で対になっており、上の方を「アッパーバンド」、下の方を「ロワーバンド」と呼び、内側のバンドから順に±1σ、±2σ、±3σと表記されます。
σは「シグマ」と読み、標準偏差のことで、±1σは第1標準偏差、±2σは第2標準偏差、±3σは第3標準偏差となります。
ボリンジャーバンドの使い方
仮に、為替レートが統計学的に正規分布しているとした場合、±1σのバンドの中に収まる確率は約68.3%、±2σのバンドの中に収まる確率は約95.4%と言われています。
つまり、為替レートがボリンジャーバンドの±2σ近辺にあるというのは、確率論で言うと出現率が5%程度しかない非常に珍しいケースなので、自然と中心の方へ引き戻される可能性が高いことになります。
ボリンジャーバンド | 確率 |
---|---|
±1σの範囲内に収まる確率 | 68.27% |
±2σの範囲内に収まる確率 | 95.45% |
±3σの範囲内に収まる確率 | 99.73% |
ボリンジャーバンドは、もみ合い相場で収縮していたバンド(スクイーズ)が、強い動きでトレンド発生するとともに広がっていき(エクスパンション)、トレンド方向に傾いたまま推移する(バンドウォーク)という特徴があります。
この特徴を利用すれば、バンドが収縮しているときはもみ合い相場なので様子見、バンドが開いてきたらトレンド発生に付いて行く、という使い方ができます。
実際の売買では、「価格が-2σに達したら買い、+2σに達した売り」という逆張りでよく使われますが、開発者のジョン・A・ボリンジャーは順張りで使うことを薦めていました。
どう使うかは、他のテクニカル分析と組み合わせて決めるとよいでしょう。
名称 | ボリンジャーバンドの状態と特徴 |
---|---|
スクイーズ | バンドの幅が狭まった状態で様子見の期間。英語で「搾る」の意味。 |
エクスパンション | バンドが上下に大きく広がった期間で、上昇または下降トレンドが発生している状態。英語で「拡張」の意味。 |
バンドウォーク | ±2σのバンドに沿って移動している状態で、順張りが無難。 |
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