【CME FedWatch】米ドルの利上げ確率が分かる!
米ドルの利上げとその織り込み度を知る
ドルと米政策金利の関係
FX初心者の多くが、最初にトレードする通貨ペア「ドル円」。
テクニカルやファンダメンタルズを分析して流れを読むのが一般的ですが、最も影響度の高い指標は米政策金利の動向です。
米政策金利が上がればドル買い、下がればドル売りとトレンドを単純かつ明確に判断できるうえ、基軸通貨であるドルが世界マーケットに及ぼす影響は絶大なので、ユーロドルやポンドドルなどのドルストレート、株式市場、商品相場をトレードする際にもその動向を知る必要があります。
FXトレーダーから見ても、日々のスワップポイント自体が変わることになるため、重要度は最も高いと言えます。
その政策金利の動向ですが、米GDPや米雇用統計、FOMCやベージュブック、FRB議長の発言などで予想するのが一般的ですが、数値化されていないので「たぶんこうなるだろう」といったあいまいな感覚しか得られません。
CME FedWatchで利上げ確率が分かる
そんな中、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが、FF金利先物の動向に基づいてフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が変更される可能性を確率で表した、FedWatchというものを公開しています。
この確率は、マーケットが米利上げをどの程度織り込んでいるか「市場の折り込み度」を知ることができる数値としても活用されていて、FedWatchの利上げ予想確率が70%を超えると、利上げが実行される可能性が高いとの見方が一般的です。
もちろん、織り込み度が100%に近付けば、それはもう買い意欲が少ないことも表しており、むしろ材料出尽くしや利食い売りでドルが売られることになる場合もあるため注意も必要です。
とはいえ、今後の利上げ確率を知っておけばマーケットが大きく動く時期を予想できますから、定期的に確認するに越したことはないでしょう。
なお、Fedとは、(Federal Reserve Board)やFOMC(Federal Open Market Committee)の総称で、「Federal」の前の3文字をとった愛称のこと、watchはFRBの動きを専門的に観察・分析している専門家ウォッチャーから来ていると思われます。
CME FedWatchの表示と使い方
利上げと利下げ確率をパーセントで表示
CME fedwatchは、CME GroupのHPにあるCME FedWatch Toolで公開されています。
現在の米政策金利は網掛けで示されたグラフで225-250bps(ベーシスポイント)、1bps=0.01%なので2.25~2.50%ということを表しています。
2.00~2.25%へ利下げしてしまう確率は左の棒グラフである1.2%、逆に2.50~2.75%に利上げする確率は4.6%あることになります。
現在は米追加利上げが一服した局面、上下どちらの確率も低いため次の材料待ちといったところ。
変動が起きた時はチャンス
利上げ確率とドルの動き
今は小康状態なので、ドル円はレンジ相場が継続中。
例えばこの利上げ確率が、一気に20~30%も上昇したのであれば、何らかの好材料やドル高材料が出たと判断でき、その内容によっては早めにドルを仕込んでおくことも可能になります。
もちろん、上述したように一般的には70%を超えると利上げ実施と見られるのですが、その時にはすでに遅く高値に達していて、売り方が手ぐすね引いて待っている可能性もあるため注意が必要です。
それを回避するには、確率が高まってからの買いはドル買いを慎重にすることと、次回利上げ時期を予想することが役立ちます。
なお、乱高下することは少ないので、米雇用統計やFOMC、FRB議長の発言後に軽く確認する程度で良いでしょう。
要人発言の影響度の確認
現状維持確率が86.8%から81.3%へ下がったあと、90%台へ一段高となりました。
下がった原因は米大統領の「ドルは高すぎる」という発言なのですが、この手の発言は何度も行われていることから、FRBは屈しないとの思惑でむしろドル高に振れています。
同様の発言があって再びドル安となった場合、今回のようにいずれ戻ることが予想できます。
直近経済指標の評価
一時利下げ確率が増加したものの良好な米経済指標を受け低下、それに伴い現状維持確率も上がってきました。
さらに好材料が出れば、今度は利上げ確率が2桁台を目指すと予想できます。
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