【恐怖指数】VIX指数とボラティリティで円高を察知
一風変わったVIX指数(恐怖指数)
リアルタイムVIXチャート
ボラティリティの高まりがわかる
VIX指数(恐怖指数) | |
---|---|
リスクオンムード | 10~15ポイント |
平時 | 15~20ポイント |
リスク回避時 | 20~30ポイント |
〇〇ショックや〇〇危機 | 30ポイント以上 |
テクニカル指標と言えば、移動平均線やMACDでトレンドを分析したり、RSIのように買われすぎや売られすぎを判断するものが一般的です。これらは、いずれも相場の方向性を表しているので、ドル円であればロングするのかショートするのかを判断するのに役立ちます。
しかし、こういったものとは全く異なる指標に「VIX指数」があります。
VIXとは「Volatility Index」の略称で、米国のシカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500を対象としたオプション取引をもとに算出、日本では日経225オプションをもとに算出した日経VIがそれに当たります。
平時、VIX指数は15~20ポイントで推移しており、特に話題にもならないのですが、何らかの材料(主に悪材料)が出てオプション買い(この場合はプットオプション)が入り始めると20ポイントを超え、状況がさらに悪化すると30ポイント台へ上昇することもあります。
これで何が分かるかと言うと、マーケットが上がるにせよ下がるにせよ、その「ボラティリティ」を知ることができるので、リスクの大きさがどの程度なのかを数値として見ることができるのです。
ボラティリティは、上昇でも下落でも上がる可能性はあるのですが、その大部分が下落局面を占めています。
なぜなら、VIX指数はオプションが買われると上がるのですが、通常は圧倒的にプットオプションの売り方が多く、非常時にはそのプットオプションを買い戻したり、あるいはプットオプションそのものを買う動きが出るからです。
このVIX指数の上昇は円高株安の局面となる傾向があるので、ドル円のロングを保有していればポジション解消、あるいはショートで入るなどの戦略が立てられます。
しかも、単なる下落ではなく何らかの大きな悪材料を伴っていることも多く、1~2日で数円程度の円高が進むこともあります。そのため、VIX指数は別名「恐怖指数」とも呼ばれています。
過去のVIX指数推移
青天井で急騰することも
これまでに最も低かったVIX指数は1993年12月22日の9.31、史上最高はリーマンショック時の2008年10月16日の81.17で、実に上昇率871.85%にもなっています。
これは、例えるなら1ドル100円が11.46円、あるいは871.85円になってしまうほどのインパクトです。
日付 | VIX指数 | 出来事 |
---|---|---|
1993年12月22日 | 9.31 | 史上最低値 |
1997年10月30日 | 38.20 | アジア通貨危機 |
1998年10月8日 | 45.74 | ロシアデフォルト(LTCM破綻) |
2001年9月20日 | 43.74 | 米同時多発テロ後の混乱(11日~16日は混乱を避ける為、株式市場が休場) |
2002年8月5日 | 45.08 | ワールドコム破綻 |
2008年9月15日 | 31.7 | リーマンブラザーズ破綻 |
10月16日 | 81.17 | 前日にダウ733ドル安 |
2010年5月20日 | 45.79 | ギリシャ国債懸念 |
10月4日 | 45.45 | ギリシャ国債デフォルト危機 |
2015年8月11日 | 53.29 | チャイナショック |
2020年3月17日 | 82.69 | 新型コロナウイルスショック |
番外(算出方法が旧方式) | ||
1987年10月19日 | 172.79 | ブラックマンデーの翌日 |
VIX指数チャートの表示
VIX指数の確認方法
VIX指数のチャートは、当ブログの世界の株価チャートで確認できるほか、finviz.comやSBI証券で見ることができます。
リアルタイムVIXチャート
finviz.comのVIX指数チャート
SBI証券の日経VIチャート
VIX指数の特徴と使い方
円安株高 | 円高株安 | |
---|---|---|
VIX指数が低下 | リスクオンムード | 先行きには前向き |
VIX指数が上昇 | 高値警戒感 | リスク回避の動き |
通常時は一定の間隔を推移
VIX指数は、上昇するときは30ポイント付近まで急騰することが多いのですが、一服すれば必ず10~15ポイント付近へ戻すという特徴があります。
これまでのVIX指数は100%の確率で高値から反落、なぜなら1年365日ボラティリティが高いままということはありえず、いずれ収束する時期が来るからです。
そのため、VIX指数が15~20ポイントであればドル円をロング、円高株安が進んでもVIX指数が20ポイントを超えないのであればポジションを保有、25ポイントを超えるようであればいったんポジション解消も考慮する、といった使い方ができます。
そして、VIX指数が30ポイントを超えればピークアウトが近いとみて、逆に安値でロングポジションを仕込むことができそうだと考えます。
ただし、VIX指数は青天井なので、好材料が出て反転した時を目安にすると良いでしょう。
VIX指数はボラティリティを表しているので、円安株高が進んでも変動率が高くなりVIX指数は上昇するのですが、この場合は利食いのためにプットオプションの売りが買い戻されているので、目先の天井を付ける可能性はあれど、〇〇ショックや〇〇危機といったことは起きづらいです。
VIX指数そのものも取引できる
VIX指数は、FXトレードに役立つだけでなく、指数そのものをトレードすることも一部の証券会社で可能です。
業者は限られているのですが、同時にFXもトレードするのであればGMOクリック証券でトレードできます。レバレッジは最大5倍にもかかわらず、変動率が圧倒的に大きいので少額でも大きなリターンが狙えます。
コメント