【相関関係】金(ゴールド)とドル、ユーロの値動きをトレードに活かそう
ドルと金(ゴールド)の値動きと連動性
ドル、金(ゴールド)、ユーロドルのリアルタイムチャート
ドル円チャート
金(Gold)チャート
ユーロドルチャート
有事のドル買いから有事のドル売りへ
これまで、世界の基軸通貨であるドルは、有事のドルとしてリスク回避時に買われてきました。戦争や大きな事件・事故が起きると、有事のドル買いでドルが上昇する、という流れです。
ところが、2001年9月11日にアメリカで同時多発テロが起きてからは動きが一変します。
なぜなら、これまで世界の警察としての立場だったアメリカ自体に攻撃が仕掛けられたというショッキングな出来事だったことに加え、仮にアメリカ政府が破産してしまったらドルは単なる紙切れになってしまうからです。
そのため、リスク時にはむしろ有事のドル売りとなる場面が、2001年以降はたびたび出てくるようになってしました。
ドルと金は逆に動く
そんな中、リスク回避の動きが出た時に注目を浴びるのが、「金・ゴールド(Gold)」です。
金は、現物資産なので消えてしまうことはありませんし、生産量が限られるため希少性もあります。大きな事件や戦争、テロなど地政学的リスクが高まると金は買われ、治まると売られます。
金の取引はドル建てが世界標準になっているので、ドルが弱いと金が強く、ドルが強いと金が弱いという逆相関が必然的に生まれます。
一方、金は持っていても金利(利息)が付かないので、米利回りが上昇した場合に金利の付かない金を売ってドルを買う動きが加速します。
金とドル円のチャートを並べてみると分かるように、金とドルは逆相関性が強いので、ドルのトレンドを見極めるために金の動きが役立つのです。
逆の動きになりやすい
金は、需要と供給や季節的な変動、生産コスト価格などがあるため、ドルとは若干事情が異なる場面も出てくるのですが、チャートを重ねてみてもだいたい逆の動きをしていることが見て取れます。
金とドルは逆相関
反対に動く傾向がある
金とドルの相関係数は、-0.30~-0.50。
-1が真逆の動き、0に近いと関連性はないと判断できるので、「だいたい反対に動く」といった感じです。
為替レートを見ていると、ドル円がプラスの時ユーロドルはマイナスで、ドル円がマイナスの時はユーロドルがプラスと逆相関になっていることがありますが、ドル円とユーロドルの相関係数が-0.20前後なので、ユーロドルを見るよりは金と比較した方が参考になると思われます。
それほど神経質になる必要はありませんが、中・長期のトレンドやマーケットの方向性を把握するには重要ですから、定期的にチェックした方が良いでしょう。
金とユーロはやや正の相関
金とユーロは連動性が見られる
一方、金とユーロドルの相関係数は0.3~0.5と正の相関になっていて、同じ動きをする場面が見られます。むしろ、どちらかが先に動いて残った方が後から追っていく、というパターンが多いです。
例えば、金が上昇すればそれを見てユーロに買いが入り、ユーロが売られると金も次第に売りに押されるなど、金とドルの関係とは対照的な動きを見せます。そのため、ユーロドルやユーロ円など、ユーロ絡みの通貨ペアをトレードする時も、金の値動きを見れば役立つでしょう。
ただ、どちらかというと短期的な連動の方が多く、中・長期で比べると異なる動きをする場面も多々見られます。
下記は、中・長期の金とユーロドルのチャートです。上げ下げのタイミングは同じですが、トレンドの強さが異なっています。
短期はより同じ動きに
こちらは、1か月分の日足を並べたもので、短期間であればこのように似たような動きをします。
どちらかというと、ユーロドルの方が対ポンドや経済指標の影響を受けるので、動きが読みづらいように思えます。
そのあたりを、金の動きを見て補うと良いでしょう。
相関係数のチェック
相関係数は、計測する期間によって数値が多少前後するので、設定期間を変えて定期的にチェックしてみてください。
下記、サヤトレのサイトで相関係数がチェックできます。
金チャートの表示
金チャートを見てみよう
金のチャートは、当ブログの原油・金リアルタイムチャートで確認できるほか、DMM.com証券やGMOクリック証券で見ることができます。
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