【ローソク足】複数の足を組み合わせた応用方法と酒田五法
複数のローソク足を見る
単独でローソク足を見るときは、形だけでなく出現した場所も重要ですが、複数のローソク足を組み合わせて見ることで、より具体的に相場を予想することができます。
相場の転換点を示すものが多いので、買いの力と売りの力のどちらが強いのかしっかり確認し、次のローソク足がどのようになるのかをしっかり予想しましょう。
足 形 | 線の呼び名 | 線 の 性 質 | シグナル | |
---|---|---|---|---|
かぶせ線 | 前日に大陽線を出したあと、次に高寄りしたのち反落、終値が前日の陽線(実体)に食い込んだ状態で、陰線で引けた形。 | 特に「前日陽線の中心値以下」での陰線形成は、天井打ちの可能性 | ||
差し込み線 | 陰線の翌日大きく下放れて始まり反発したが、前日陽線の中心まで戻せなかった陽線が出現。 | 追撃売りを示唆。終値が「前日の実線の中心より上」の場合「切り込み線」に該当 | ||
つつみ線(包み線・抱き線) | 前日の陽線を完全に包む大陰線か、前日の陰線を完全に包む大陽線。 | 上昇相場の高値圏に出た形は「最後の抱き線」、下落相場の底値圏で出た形を「抱きの一本立ち」と言う。 | ||
はらみ線 | 前日の線(値幅)の中で、ローソク足が形成された形。 | はらみ線の部分が寄引同時線となった場合は「はらみ寄せ線」と呼ばれ、転換の兆し。 | ||
出合い線(逆襲線) | 前日の陰陽線と逆の線で前日と終値が同じになった線。 | 陽線後、陰線は下降、陰線後、陽線は上昇を示唆。 | ||
行き違い線(振分け線) 「化け線」 | 前日の陰陽線と逆の線で前日と始値が同じになった線。 | 一時的なあや戻しの化け線。陰線後、陽線は下降、陽線後陰線は上昇を示唆。 | ||
並び足 | 並び赤 | 上昇途中で上放れて陽線が連続、あるいは下降途中で下放れて陽線が連続。 | 上放れ後の並び赤は強保ち合い、下離れ後の並び赤は追撃売りを示唆。 | |
並び黒 | 上昇途中で上放れて陰線が連続して出現。 | 高値圏で出た場合は手仕舞い売りの局面。 | ||
入り首線 | 前日の大陰線から、翌日は下放れてはじまり、前日の安値を少ししか上回って引けなかった形。 | 追撃売り。 | ||
切り込み線(切り返し線) | 前日の大陰線の中心より上値で引けて大陽線になった形。 | 長期下落時は反発の勢いが強いのでドテン買いを示唆。 | ||
あて首線 | 前日の大陰線から下放れではじまり、前日の安値付近まで戻して終わった小陽線。 | 高値圏でのもみ合い、下げの初期で出ると下落を示唆。 | ||
毛抜き天井 | 前日高値と当日高値が同じで毛抜きの形に似ていることからつけられた形。 | 長期上昇後の天井圏に出ると天井のシグナル。 | ||
毛抜き底 | 前日安値と当日安値が同値。 | 長期下落後の底値で出現すると大底のシグナル。 | ||
height=”144″ alt=”星、十字星、流れ星”> | 星、十字星、流れ星 | 長い陽(陰)線の後、窓をあけて短い線かコマ、十字線が出現。 | 変化の前兆。 | |
空(くう)・窓(まど)・穴(あな) 、二空、三空 | 窓を空けた放れ足の形。 | 上昇時は先高、下降時は先安を示唆。 | ||
たすき線 | 前日の陰線のあと高寄りして、前日の高値以上で引ける。前日の陽線のあと安寄りして前日の安値以上で引ける場合。 | 目先逆向かい。 | ||
たくり線 | 寄付きから安く、さらに大きく売られるが、引けにかけて急反発して長い下ヒゲをつけた形。 | 実体部分が陽線であれば、信頼性の高い買いシグナル。 | ||
首つり線(首吊り線) | 上放れて寄り付くが、売りに押され下押しする。すると押し目待ちの買いが一斉に入って、高値引けで終わる。下ヒゲが実線の3倍以上あるものが該当。 | 長期上昇のあとに出ると売りシグナル。 | ||
勢力線 | 大きく下放れて始まり、著しい安値を記録するが、投げ一巡から戻りに入り、引け値が寄り付き値より高くなった形。 | 大底確認のサイン。 |
ローソク足と酒田五法
酒田五法は、江戸時代に米の先物取引を行っていた相場師本間宗久によって考案された、ローソク足の形や並びによって相場を判断する手法です。
「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」と歌われるほどの日本一の大地主、本間家の初代当主・原光の5男として生まれました。
本間宗久は、ローソク足の組み合わせによって相場の5つの法則を編み出し、巨額の富を築きました。
現在の金額でいうと、1兆円以上稼いだと言われています。この手法は、彼が出羽国(現在の山形県酒田市周辺)の出身なので、酒田五法と名付けられています。
酒田五法は、次の5つの法則から成り立っています。
三山(さんざん)
高値圏で、上昇から下落のパターンが3度続くと、天井形成のパターンとされ、その後下落を示唆します。
3つの山のうち、真ん中の山が高かった場合は特に「三尊」(ヘッドアンドショルダー)と言って、もっとも強力な天井形成とされています。
三川(さんせん)
下落→上昇のパターンが3度続くと、大底形成のパターンとされ、その後上昇を示唆します。逆三山とも言います。
3つの谷のうち、真ん中の谷が最も低かった場合は、特に「逆三尊」と言って、もっとも強力な大底形成とされています。
三山・三川には色々なパターンがあって、急上昇して窓明け後、上昇が鈍化して大きく下落すると三川宵の明星、大暴落した次の日に少し値を戻して、更に窓を空けて急反発すれば、三川明けの明星となります。
三空(さんくう)
3連続で窓を空け、勢いよく上昇(下落)していく形です。
「三空叩き込み買いに向かえ」や「三空踏み上げ売りに向かえ」の格言にもあるように、相場のトレンドが急変する可能性が高い形です。
三兵(さんぺい)
3日連続で上昇・下落が続いた状態で、上昇の連続は赤三兵、下落の連続は黒三兵と呼ばれます。
ただし、値動きの幅が狭まったり長いヒゲが出現した場合は、先詰まりと判断、トレンドの収束の前兆となります。
三法(さんぽう)
小刻みに上昇と下落が連続して起こる場合は、売り買いが交錯してトレンドが定まらない状態で、三法と呼ばれます。
酒田五法では、「売り」「買い」「休む」の三法が大切で、売買を行った後は、必ず休むように伝えられています。
上昇相場で大陽線の出現後、小さな陽線や陰線をはさんだのち、大陽線の高値を上抜く陽線が出現すれば買いサイン(上げ三法)、下落相場で大陰線出現後、小さな陽線や陰線をはさんだのち、大陰線の下値を下抜く陰線が出現すると売りサイン(下げ三法)となります。
あるいは、大きな動きの前の小さな陽線や陰線は、相場が休むことによってパワーを蓄え、さらなる上昇(下落)に備えていると判断します。
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